欧州人は足元シースルーが好きなようである

ヨハンクライフアレナのアウェイスタンド → ヨハンクライフアレナのアウェイスタンド席の様子。欧州スタジアム観戦体験 試合後のスタジアム周辺の混雑 → ヨハンクライフアレナの試合後、ゲート周辺に集まる観客の混雑風景 網目状の階段 → ヨハンクライフアレナの網目状になった階段。下まで透けて見える足元シースルー構造 網目の床越しに見える観客 → ヨハンクライフアレナの階段から下を見下ろした様子。透ける床越しの観客 ユーロマスト外観 → ロッテルダムの観光名所ユーロマストの外観。高さ185メートルの展望塔 ユーロマストの展望台エレベーター → ユーロマストの展望台エレベーターから見下ろす塔の内部 ユーロマストのシースルー床 → ユーロマスト展望台のシースルー床から下を見下ろした景色 パリ・ポルトマイヨー夜景(アイキャッチにも使用) → パリ・ポルトマイヨー広場の夜景に輝くガラス床。欧州の足元シースルー文化 ガラス床を歩く人 → パリ・ポルトマイヨー広場のガラス床を歩く人の姿 ガラス越しの地下鉄構造物 → パリ・ポルトマイヨー駅のガラス床越しに見える地下鉄の構造物 ガラス床から見下ろす改札 → パリ・ポルトマイヨー駅のガラス床から見下ろす地下鉄改札付近 コラム

ヨハンクライフアレナでの驚き(アムステルダム)

先日、サッカー観戦でアムステルダムのヨハンクライフアレナに行きました。すでに2シーズンを過ごしていますが、今回はこれまで座ったことがないサイド、アウェイゴール裏で観戦することになりました。

ヨハンクライフアレナのアウェイスタンドの様子
(写真:ヨハンクライフアレナのアウェイスタンド)

余談ですが、こちらのスタジアムは、どこのスタジアムに行ってもアウェイ席はほんのわずかで、たいていはコーナーの隅にある2階席のような場所だけです。日本の感覚でいう「アウェイゴール裏」というのは存在せず、ほとんどがホームサポーター席になっています。そのためアウェイチームは前後半のどちらであっても、味方サポーターに向かって攻撃することになりますし、観客の側から見ても、アウェイとホームでゴール裏の雰囲気にそれほど大きな差はありません。違う点といえば、ホームゴール裏に応援団が陣取っているくらいでしょうか。

試合後に混雑するヨハンクライフアレナのゲート付近
(写真:試合後のスタジアム周辺の混雑)

という訳で、この日は入退場ゲートも初めての場所から出ることになりました。試合後、スタジアムを出る階段で思わずビックリしました。

なんと、足元が網目状になっていて、下が丸見えだったのです。

網目状になったヨハンクライフアレナの階段
(写真:足元が透けて下が見えるスタジアムの階段)

これが非常階段ならまだ分かるのですが、ここはコンコースと呼んでいいような、誰もが通る主要な動線です。しかも網目状なので、もし誰かが酔っ払ってビールでもこぼせば、下にいる人は頭からビールを浴びることになります。それも何階にもわたって……。材質の軽量化が必要な場所とも思えませんし、むしろ大勢の人間が一度に通る場所なので強度こそ必要なはずです。

ヨハンクライフアレナの網目の床から下を見下ろした様子
(写真:網目の床越しに見える観客の様子)

建築費を少しでも節約するために材料を減らしたのか、と考えてしまいましたが、普通は安全第一で、こういう部分のコストは削らないものではないでしょうか。

──ヨハンクライフアレナで出会った、私にはどうにも共感できない「足元シースルー」の感覚でした。


ロッテルダム・ユーロマストのシースルー体験

ロッテルダムの観光名所ユーロマストでも、同じような体験をしました。ユーロマストは高さ185メートルの展望塔で、街のシンボルの一つです。

ロッテルダム・ユーロマスト外観
(写真:ユーロマスト外観)

展望台へはエレベーターで上がるのですが、料金は2段階に分かれています。最初の展望台までだと16.5ユーロ。さらにエレベーターを乗り換えて一番上の展望台に行くと20.5ユーロです。その「最後のエレベーター」の床がシースルーになっているのを思い出しました。

ユーロマストの展望台エレベーターから下を見下ろした風景
(写真:エレベーターから見下ろしたユーロマストの塔)

上昇中にはエレベーターが回転したり、ネオンサインで宇宙空間をワープしているかのような演出が施されていたりと、さまざまな工夫があります。その一環として床を透明にしていたのだと思います。

ユーロマストのシースルー床から真下を見た様子
(写真:シースルーの床越しに見える下の景色)

とはいえ、足元が透けていたからといって「わぁ、きれい」と感動することもなく、むしろ落ち着かない気分にさせられるだけでした。

──ここでも、どうにも私には共感しがたい「足元シースルー」の感覚でした。


パリ・ポルトマイヨー駅のガラス床

さらに昨年、食品展示会でパリを訪れた際にも、似たような「足元シースルー」に出会いました。場所はパリ郊外のポルト・マイヨー地下鉄駅です。広場の一角が妙に光を放っていたので近づいてみると、地下鉄の改札口の天井部分がガラス張りになっており、その上を歩けるようになっていました。

パリ・ポルトマイヨー広場の夜景とガラス床
(写真:夜のポルト・マイヨー広場に輝くガラス床)

透明な床を歩いてみても、「まるで空中を散歩しているみたい」という爽快感はなく、むしろ地に足がついていないような落ち着かない気持ちばかりが残りました。

ポルトマイヨー広場のガラス床を歩く人
(写真:ガラス床の上を歩く人の姿)
ガラス越しに見えるパリ・ポルトマイヨー駅の地下鉄構造物
(写真:ガラス越しに見える地下鉄の構造物)

「ガラスが割れて転落するかもしれない」という不安はまったくありませんでしたが、それでも心から安心できるものでもありません。

ポルトマイヨー駅のガラス床から見下ろす改札付近
(写真:ガラス越しに見える改札付近の様子)

しかもこの広場は大通りに面しており、車の事故などが起きた場合にどうなるのかと心配になりました。普通にアスファルトにしておけば、そんな余計な不安を抱く必要もないはずなのに……。

パリ・ポルトマイヨー広場の夜景と光るガラス床
(写真:ポルト・マイヨー広場の夜景、光るガラス床が印象的に広がる)

──ここでもまた、私にはどうにも共感できない「欧州の感覚」に出会ったのでした。

最後に:欧州人と「足元シースルー」文化

ヨハンクライフアレナの階段、ユーロマストのエレベーター、そしてパリ・ポルトマイヨー駅のガラス床。いずれも「足元が透けている」仕掛けに出会いました。

「軽量化」「演出」「デザイン性」など理由はあるのかもしれませんが、私には「安心感よりも落ち着かない気分」を与えるものばかりでした。

──どうやら欧州人は足元シースルーを好むようですが、少なくとも私には共感できない感覚の一つです。

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